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イベント開催日2025/06/26

民映研 x 塩屋 vol.26 ドキュメンタリー映画上映会「鹿児島の祭り」

民映研 x 塩屋 vol.26 ドキュメンタリー映画上映会「鹿児島の祭り」

「私たちが生を受けた日本列島に生きる 庶民の生活と生活文化を記録する」
姫田忠義|民族文化映像研究所|ドキュメンタリー映画上映会

 

【 上映作品 】

作品番号42「ホゼと願成就」(1984年|31分|鹿児島県熊毛郡南種子町茎永ほか)
作品番号51「祓川の棒踊り」(1985年|26分|鹿児島県鹿屋市祓川)
作品番号53「高山の水神まつりと八月踊り」(1985年|25分|鹿児島県肝属郡高山町本町)

日時:2025年6月26日 (木) open 19:00 start 19:30
会場:旧グッゲンハイム邸 神戸市垂水区塩屋町3丁目5-17
料金:一般 1,800円 シニア・U-25 1,200円 小中学生 500円
主催:NPO法人ヒューマン・ビジョンの会
共催:塩屋音楽会

 

ご予約:以下よりgoogleフォームにてお申し込みください

https://forms.gle/B81BttEXF8YtM9tH6


お問い合わせ:旧グッゲンハイム邸
TEL : 078-220-3924
E-mail : guggenheim2007@gmail.com

 

「ホゼと願成就(がんじょうじゅ)」民映研作品 No.42
(鹿児島県熊毛(まげ)郡南種子町茎永ほか 1984年 31分)

南九州では、ホゼあるいは願成就とよばれる秋の収穫祭が行われる。まつりにはさまざまな儀礼があり、多彩な芸能で彩られている。これはその代表的な四つのまつりの記録である。
[1] 南種子町宝満神社の願成就。正月一五日にかけた願が成就した感謝の行事が一〇月一六日に行われる。中世の念仏踊りや風流の面影を伝える。
[2] 坊津町八坂神社のホゼ。一〇月一五日夜、八坂神社の神が神輿にのり、浜の宿へ下る。宿で人々は収穫物を神に供え、一晩神とともに過ごす。翌一六日に神が神社へ帰る行列に十二冠女が奉仕する。女の成人儀礼でもある。行列の先頭にはハナタカドンが立つ。
[3] 末吉町住吉神社のホゼ。十一月二二日から三日間行われる。ここでは、神に豊作を感謝し、まつりを賑わすために流鏑馬などの武芸が奉納される。
[4] 大隅町岩川八幡宮のホゼ。十一月三日、神社での祭典の後、八幡宮の神を先導する五メートル程の巨大な人形、弥五郎どんの着付けをする。
ホゼは、農民のまつりである。豊作を神に感謝するとともに、互いに労苦をねぎらいあう。そして一年の農作業を終えたひとときを楽しむのである。

「祓川(はらいがわ)の棒踊り」民映研作品 No.51
(鹿児島鹿屋市祓川 1985年 26分)

南九州、奄美諸島、沖縄では、棒踊りが盛んに行われる。大隅半島では旧暦二月の打植祭と旧暦三月の早馬まつりに奉納するところが多い。大隅半島の高隈山の南麓にある祓川では、旧暦三月四日の瀬戸山神社のまつりに奉納される。現在の棒踊りは、テンポの速い、棒を激しく打ち合う踊りで、明治一五年頃にとりいれられたという。しかし、原形はゆったりとしており、棒で地面を突くことが、一番大切であったという。豊作を願って大地を突き、神の眠りを覚ましたのである。棒踊りは、単なる芸能ではなく、農耕に関わる神事芸能なのである。

「高山(こうやま)の水神まつりと八月踊り」民映研作品 No.53
(鹿児島県肝属(きもつき)郡高山町本町 1985年 25分)

大隅半島の中程、高隈山地から流れる肝属川。この川は肝属平野に水の恵みを与えたが、一方大きな水害もおこしてきた。肝属川の周辺の人々は水神を祀って、川を鎮め、豊作を願った。まつりは旧暦八月に入ると、肝属川の河口の地区から始まり、川を遡って中流の高山町では旧暦八月一八日に行われる。高山の水神まつりはかつては四つの組で行われた。まつりの日の夕方、四組の主だった人が町にある水神の前で法楽(ふらく)という鉦踊りを奉納する。鉦と太鼓に合わせて歌い、足だけを動かす踊りである。夜になると八月踊りが始まる。法楽同様、水神を慰め、水神に感謝する踊りである。高山の八月踊りは、水神まつりの法楽から発展したものだとみられている。水神まつりで行われる静かな鉦踊りと、華やかな夜の八月踊り。前者は中世の念仏踊りを想わせ、後者は近世の上方文化の伝播を想わせる。

 


 

姫田忠義(ひめだ ただよし) 記録映像作家・映像民俗学者

1928年(昭和3年)兵庫県神戸市生まれ。旧制・神戸高商卒。
1954年、民俗学者の故・宮本常一氏と出会い、その影響を受けて日本全国を歩き始める。
1950年代後半より、映像を手段とする記録作業を開始。
1976年、民族文化映像研究所を設立し、2012年まで所長を務める。
2011年、開校と同時に日本映画大学・特任教授に就任。「民俗学」を担当する。
2013年7月29日午後9時55分 横浜市の病院にて「慢性閉塞性肺疾患」のため死去。84歳。7月31日家族のみにて火葬葬を執り行う。

庶民の生活と生活文化を、映像による手段を使い記録作業を50年以上にわたり続ける。
≪「基層文化」=大自然に依拠しつつ暮らす、人間の精神文化≫をテーマに、
120本を超える映画作品を発表。代表作に「アイヌの結婚式」「イヨマンテ」、「越後奥三面 ~山に生かされた日々」(1986年シカゴ国際映画祭ドキュメンタリー部門銀賞)。

1989年 フランス政府より芸術文化勲章オフィシエ叙勲

 

使用されている画像すべて©民族文化映像研究所

投稿日:2025.05.08

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